perpDEXの選び方|手数料・清算・出金経路を同じ条件で比べる
perpDEXを比べるとき、画面の手数料だけ並べても、自分の取引にかかる費用は分かりません。保有時間、担保の共有範囲、資金を戻す経路が違えば、安く見えた候補の方が高くなることもあります。
資料確認:2026年10月3日(日本時間)
この記事の目次
読む前に:対象と前提
この記事では、最大倍率や報酬の期待額で順位を付ける代わりに、同じ条件で公式資料を読む作業表を作ります。目的は、取引を始めることではなく、比較できる項目と未確認の項目を分けることです。各サービスの名称、対象市場、利用する画面を最初に記録してください。
1. 比較する単位をそろえる
同じBTCのperpでも、数量の単位、担保、注文方法が同じとは限りません。「サービスA」だけでなく、「その画面から使う、どの市場か」まで特定します。HyperliquidでもHIP-3の市場では、市場を作った運営者(デプロイヤー)による契約・運営条件があります。ブランド名から全市場の仕様を推測しません。HIP-3の公式説明
比較練習の条件を、USD建て線形契約、BTC価格50,000ドル、数量0.02 BTC、建玉1,000ドル、担保250ドル、保有24時間、往復Taker(板にある注文へ当てる取引)と仮定します。担保1単位=1ドル、比較中の価格は一定とします。実際の相場や推奨する取引規模ではありません。
表は横にスクロールできます。
| そろえる項目 | 候補AとBに共通の条件 | 一致しない場合 |
|---|---|---|
| 商品・単位 | USD線形、BTC分の数量 | 別商品の条件として比較を分ける |
| 建玉・担保 | 1,000ドル・250ドル | 倍率表示だけで合わせない |
| 保有と注文 | 24時間・往復Taker | Funding回数、約定方式を別記する |
| 資金の移動 | 同じ出発元と戻し先 | 経路の費用・待機条件を記録する |
証拠金だけをそろえて倍率を変えると、動かす金額が変わってしまいます。数量をそろえた後で、担保の範囲や維持条件を比べると、費用とリスクの違いを読みやすくなります。
2. 手数料は保有時間と出口まで含める
調べるのは、新規と決済の料率、Maker/Takerの成立条件、追加手数料、Fundingの単位と計算価格、入出金経路の費用です。Hyperliquidの公式料率は出来高などの条件により異なり、HIP-3の市場には追加の設定もあります。dYdXも公式資料だけで確定させず、案内されるFees画面で自分に適用される条件を確認します。Hyperliquidの手数料、dYdXの手数料資料
次はサービス名と結び付けない架空例です。価格一定で、決済時の建玉も1,000ドル。Fundingを支払う回数はAが24回、Bが3回と明示的に仮定し、その全回で保有していたものとします。
表は横にスクロールできます。
| 費用 | 架空候補A | 架空候補B |
|---|---|---|
| 往復取引手数料 | 各0.04%:1,000×0.04%×2=0.80ドル | 各0.03%:1,000×0.03%×2=0.60ドル |
| Funding | 1時間分0.002%×24回:0.48ドル | 8時間分0.008%×3回:0.24ドル |
| 入出金の費用合計 | 仮定0.70ドル | 仮定2.00ドル |
| 合計 | 1.98ドル | 2.84ドル |
取引料率が低いBでも、この条件の合計はAより0.86ドル高くなりました。これはAの利用を勧める結果ではなく、比較する範囲で結論が変わる例です。料率を「1回」「1時間」「8時間」のどれで表示しているかをそろえます。
取引料率だけでは、総費用を比べられない
候補Bは取引料率が低くても、入出金費用を含む仮定の総費用は候補Aより高くなります。利用先を推奨する比較ではありません。
前提と費用の扱い:USD線形契約、BTC価格50,000 USD/BTC、数量0.02 BTC、担保250 USD、価格一定、24時間保有、往復Takerの架空例。指定した24回/3回の全受払時点で保有し、各Fundingは支払と仮定。価格損益・税金・担保価格変動を除外。費用は実在サービスに対応付けず、実際の料率・価格・受払方向・経路費用は変わります。
実際のFundingは途中で変わり、受け取りの場合もあります。Hyperliquidの公式仕様では1時間ごとの受け払いで、計算用の建玉価値にオラクル価格を使います。現在表示された一つの率を、そのまま24時間の確定費用にしません。Fundingの公式仕様
注文の見積もりには、数量による板の価格差も確認します。指値を出しただけでMakerになるとは限らず、成立しないこともあります。実際の約定価格で損益を計算したら、含まれている滑りをもう一度費用に足さないことが大切です。
3. 清算と担保共有を比べる
最大倍率は「設定できる上限」であり、同じ数量を保有した場合の清算余力を直接示しません。次の三組を、対象市場の仕様から書き出します。
- 新規に必要な額/維持に必要な額:当初証拠金と維持証拠金を別に記録。建玉の大きさで条件が変わる段階設定も確認する。
- 共有/分離:クロスでどの建玉・口座・市場と担保を共有するか。分離なら追加・取り出しの制限は何か。
- 評価/執行:清算判定に使う価格、実際の決済方法、未約定時の追加処理、損切りの判定価格を分ける。
Hyperliquidではマーク価格による清算判定と、板へ出す注文や、板で処理しきれない場合のバックストップへの引継ぎ処理の説明があります。dYdXは公式の証拠金・清算資料に沿って読みます。清算率や費用を他サービスへ移し替えず、比較表には仕様のURLと確認日を残します。Hyperliquidの清算、証拠金の範囲、dYdXの証拠金、dYdXの清算
4. 入金前に、戻す経路まで書く
「USDCが使える」だけでは、入出金経路を特定できません。ネットワーク、ログイン方式、受取先、移動を扱う仕組みを分けます。
Hyperliquidの公式開始案内には複数経路があります。app.hyperliquid.xyzでウォレット接続する案内にはArbitrumのUSDCによる入金や、別の資産を入れて取引に使う資産へ交換する経路があります。一方、同じ画面へメールでログインする案内では、表示された入金先にArbitrum・Ethereum・Base・PolygonのUSDCを送る方式などが示されています。ログイン方式の異なる説明を、すべて同じ入金操作としてまとめません。公式の開始・入出金案内
また、Hyperliquid内の別アカウントへ送るSendと、別チェーンへ出すWithdrawalは異なります。受取先の取引所が対応していないネットワークへ送れば、表示されるアドレスが合っていても、そのまま反映されるとは限りません。公式の出金確認
dYdX Chainの出金案内も、対応チェーンのウォレットや、NobleのUSDCを受け取るCoinbaseなど、経路を分けています。接続するウォレットや宛先によって使える経路が異なるため、一律無料・即時の出金として比較しません。dYdXの公式出金案内
入口と出口を、区間ごとに確認する
出発元、入金経路、取引口座、出金経路、戻す先を分けます。各区間で資産・費用・最低額・待機条件を記録し、ログイン方式や画面の違う案内を同じ操作に混ぜません。
前提と費用の扱い:条件を読むための図で、送金やログインの実行指示ではありません。実在の費用・最低額・所要時間・利用可否は記入していません。図解05-Aの0.70/2.00 USDを実在経路に割り当てません。入金と出金の対応、無料・即時の処理、資産回収を保証しません。
候補ごとに「今いるネットワーク → 入金経路 → 取引口座 → 出金経路 → 戻す先」を書きます。各区間の資産、最低額、手数料、ガス、待機時間、停止時の案内先を調べ、分からない欄を空白で済ませず「未確認」と記録します。入金できることから、同じ経路で戻せることを推測しないでください。
5. 変更権限と利用条件を確認する
ウォレットで署名できることと、誰も市場や出金条件を変更できないことは別です。HIP-3では市場のデプロイヤーがオラクルや契約の運営を担い、取引停止・決済に関する権限も説明されています。どの市場に適用する話かまで確認します。HIP-3の運営権限
監査を見る場合も、対象コントラクトと版、対象外の範囲を確認します。「監査あり」を取引口座全体の保証に置き換えません。公式監査の案内
地域条件は、使う画面・運営主体の現行規約を読む項目です。サイトが表示されたことだけで、利用可能とは判断しません。dYdXも画面のアクセス案内とソフトウェアの規約を分けて読みます。制限の定義、所在地や居住地等の条件を確認し、内容が取得できない場合も未確認のまま候補を保留します。Hyperliquidの公式画面の規約、dYdXの画面の地域条件、dYdXのソフトウェア規約
6. 比較表を埋め、未確認を残す
表は横にスクロールできます。
| 記録する項目 | 候補A | 候補B |
|---|---|---|
| 画面・市場・契約・確認日 | 未確認 | 未確認 |
| 同じ数量と保有時間の往復費用 | 未確認 | 未確認 |
| 維持条件・価格指標・担保共有 | 未確認 | 未確認 |
| 入出金経路・戻す先・停止時の案内 | 未確認 | 未確認 |
| 変更権限・監査の対象 | 未確認 | 未確認 |
| 利用地域・規約の主体とURL | 未確認 | 未確認 |
埋めた数字が推定なのか、履歴なのか、公式に確定した条件なのかも添えます。変更の多い料率や経路は、確認日と参照先を更新できる形にしておくと比較をやり直せます。ポイントの将来価値を費用の回収額に加えないことも、前提をそろえる一つの方法です。
用語が曖昧なところは、perpDEXの固定ガイドで確認できます。すべてを点数化する必要はありません。戻す経路や条件を説明できない候補は、比較を保留することもできます。

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