perpDEXの資金調達率とは?|手数料と合わせて保有コストを計算する
「Fundingが0.01%なら、どれくらい払うのか」。この疑問に答えるには、料率だけでなく、何時間分の表示か、計算する建玉金額、受払が確定する時点を読む必要があります。
公式資料の確認日:2026年10月3日(日本時間)。
この記事の目次
読む前に:対象と前提
資金調達率(Funding Rate)は、無期限先物の保有者同士で受け払いする調整金の料率です。この記事では、数字を台帳に写し、手数料も含めた最終損益まで計算します。証拠金やロング・ショートが曖昧なら、先にperpDEXの固定ガイドを確認してください。
以下の価格・料率・手数料はすべて説明用の仮定で、現在の相場やサービスの適用料率ではありません。
1 料率の横にある「時間」と「価格」を読む
同じ0.01%でも、1時間分と8時間分では支払額の見積もりが違います。まず次の項目をセットで記録します。
- 表示期間:1時間、8時間、年率など、何の期間に換算した数字か
- 数字の性質:次回の予測、現在の表示、過去に確定した料率のどれか
- 受払の時点:計算・決済の間隔、時刻とタイムゾーン
- 計算対象:数量と、建玉金額に換算するための参照価格
- 自分の方向:ロングかショートか、履歴では支払と受取をどう表示するか
プラスの料率ならロングが支払う、マイナスならショートが支払う設計が代表的です。ただし、料率のプラスと「自分の残高が増えるプラス」は同じ意味ではありません。台帳では受取を+、支払を−と定義すると混乱を減らせます。
公式仕様を並べると分かる違い
表は横にスクロールできます。
| 読む項目 | Hyperliquid | dYdXの公式説明・既定設定 |
|---|---|---|
| 受払の間隔 | 毎時間 | 毎時間。設定はガバナンスで変更可能 |
| 時間単位の注意 | 計算式は8時間基準で、毎時間その8分の1を支払う | Funding欄で1時間・8時間・年率表示を選べる |
| 価格・履歴の確認 | 受払額の計算にはオラクル価格を使い、マーク価格とは区別 | 市場の料率表示と、Portfolio → Historyの受払履歴を分けて確認 |
両者を「毎時間だから同じ」とは扱えません。計算方法や表示の換算は別の確認事項です。Hyperliquidでは「数量×オラクル価格×当該期間の料率」が受払額の式です。チャート価格や自分の購入価格を、そのまま参照価格に代入しないようにします。Hyperliquid公式 Funding、dYdX公式 Fundingの説明
同じ料率でも、表示期間で8倍違う
同じ0.010%でも、1時間料率なら単純年率87.6%、8時間料率なら10.95%です。数字だけでなく表示期間を記録します。
前提と費用の扱い:架空の料率が365日間変わらないとする単純換算で、複利・手数料を含みません。建玉金額が基準で、証拠金利回りではありません。実際の受払額・将来利回り・受取を保証せず、料率反転や価格・数量の変化、清算等を含みません。
2 価格と料率が変わる3回の台帳を作る
架空のドル建て線形契約で、0.1 BTC分のロングを保有します。50,000ドルで新規建てし、3回の受払後に51,000ドルで全決済する設定です。数量は途中で変えず、各時刻に保有しているものとします。担保は1単位=1ドル、初期残高は1,000ドル。入出金費用・税金・為替変動は除外します。
下表の料率は、各1時間分の確定料率として仮定した数字です。時刻はUTCで統一し、価格はその回の計算用参照価格です。
この表の料率はすでに1時間分です。さらに8で割らず、そのまま各回の建玉金額に掛けます。
表は横にスクロールできます。
| 受払時刻(UTC) | 参照価格(ドル/BTC) | 1時間の料率 | 建玉金額(ドル) | ロングの受払(ドル) |
|---|---|---|---|---|
| 10:00 | 50,200 | +0.010% | 5,020 | −0.502 |
| 11:00 | 49,800 | +0.020% | 4,980 | −0.996 |
| 12:00 | 50,600 | −0.015% | 5,060 | +0.759 |
最初の回は、0.1 BTC×50,200ドル/BTC×0.0001=0.502ドルの支払です。0.010%は小数で0.0001。2回目は0.996ドルを払い、3回目は0.759ドルを受け取ります。差引きは−0.502−0.996+0.759=−0.739ドルで、3回合計では支払側です。計算は小数第3位まで保持しています。実際の端数処理は各サービスの仕様を確認します。
開始時の建玉5,000ドルに、最初の料率だけを3回掛けると1.5ドルとなり、この台帳とは一致しません。毎回の価格と料率が変わったためです。途中で数量を増減したなら、その回の数量も書き換えます。予測値を確定履歴の代わりに使わないことがポイントです。
受取の回があっても、全期間では純支払
累計は1回目−0.502、2回目−1.498、3回目−0.739 USD。最後の受取で純支払は減りますが、全期間では0.739 USDの支払側です。
前提と費用の扱い:USD建て線形ロングの架空例。数量0.1 BTCで3時刻とも保有、各価格はFunding用参照価格。料率は既に各1時間分の確定料率として仮定しており、さらに8で割りません。小数第3位まで保持し、実際の端数処理はサービス仕様によります。売買手数料・値動き損益・入出金費用・税金・為替変動はこの受払累計に含みません。
3 片側の手数料と往復の手数料を分ける
取引手数料は新規建てと決済それぞれの約定で確認します。仮に両方とも約定金額の0.04%なら、片側の計算は「数量×約定価格×0.0004」です。
- 新規:0.1×50,000×0.0004=2ドル
- 決済:0.1×51,000×0.0004=2.04ドル
- 往復:2+2.04=4.04ドル
往復を単純に「新規の2ドル×2」とすると、決済価格の変化を取りこぼします。部分約定や分割決済なら、各約定の費用を足します。実際の料率はMaker・Taker、取引量、対象市場などで変わるため、この0.04%を実在サービスの料率として使わないでください。Hyperliquid公式 Fees
指値を出しただけでMakerになるとは限りません。すぐ板の注文に当たればTaker側になります。HyperliquidのPost Onlyは、すぐ約定せず板に置く指定です。約定しない可能性も含めて条件を読みます。Hyperliquid公式 Order types、dYdX公式 Maker・Takerの説明
4 値動きの損益から最終損益までつなげる
先ほどのロングを51,000ドルで決済したとき、値動きの利益は0.1×(51,000−50,000)=100ドルです。
100ドル−往復手数料4.04ドル−Funding純支払0.739ドル=最終利益95.221ドル。
他の入出金や損益がなければ、残高は1,095.221ドルです。数量0.1 BTCを決めた後に、損益へレバレッジをもう一度掛けません。建玉5,000ドルに対して残高1,000ドルという開始時の倍率は、数量にすでに反映されています。
この例の売買価格は実際に成立した約定価格として仮定しています。見積もりより不利な約定になった分は、その価格で計算した損益に含まれます。そこから同じスリッページをもう一度引くと二重計上です。別途測る場合は、見積もりとの差の分析として分けます。
Fundingを受け取っても価格損失は残る
同じ条件でショートを保有した場合、Fundingの合計は+0.739ドルです。しかし50,000ドルから51,000ドルへの上昇では、値動きの損失が100ドル。最終損益は−100−4.04+0.739=−103.301ドルです。受取があることと、取引全体が利益になることは別に判断します。
Fundingの受取と、最終損益は別
ロングは値動き利益100 USDから費用を引き、利益95.221 USD。ショートはFundingを0.739 USD受け取っても、価格損失と手数料により損失103.301 USDです。
前提と費用の扱い:USD建て線形契約、担保1単位=1 USDの架空例。数量と約定価格は仮定。新規・決済手数料各0.04%で2+2.04=4.04 USD、Fundingは図解03-Bと同じ3回の受払。入出金費用・税金・為替変動を除外。数量決定後にレバレッジを再度掛けず、約定価格に含まれる滑りを再控除しません。
5 年率表示は将来の受取額ではない
架空の1時間料率0.010%を、変わらず1年続くとして単純換算すると、0.010%×24×365=87.6%です。同じ0.010%が8時間料率なら、0.010%×3×365=10.95%。時間単位を取り違えるだけで8倍違います。
これは率を比較する計算で、1年間の確定利回りではありません。複利を含めず、建玉金額を基準にしています。証拠金に対する利回りとも区別が必要です。実際には料率の反転、参照価格、数量、手数料、清算などで結果が変わります。dYdXの年率表示も、将来の受取を保証する表示として読まないようにします。dYdX公式 Fundingの表示単位
6 確定履歴で照合する
取引後は、口座・市場・期間をそろえ、約定履歴の数量、価格、手数料とFundingの受払履歴を並べます。Hyperliquidの公式APIでも、市場の料率履歴と個別口座の受払履歴は別です。料率だけでは自分の支払額は分かりません。Hyperliquid公式 Perpetualsの履歴仕様
最後に、入出金・他の取引・未決済分を分けて残高と照合します。画面のPnLが費用込みなら、同じ手数料やFundingを再控除しません。「時刻がUTCか」「履歴が全件か」「部分約定が残っていないか」まで確かめると、差額の理由を追いやすくなります。
よくある疑問
決済時点だけ料率を見ればよいですか? 保有中に受払が確定していれば、それまでの履歴も必要です。課金時点と保有条件は仕様で確認し、直前の決済で必ず回避できると一般化しません。
台帳の利益と口座残高が合わないのはなぜですか? 集計範囲や時刻、入出金、他の建玉、費用の重複を順番に確認します。差額を利益や損失と即断せず、説明できない項目を残します。

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